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永遠のベルサイユのばら展

2008-08-01 (Fri) 23:04[ 編集 ]
日本橋三越で開催されていた「永遠のベルサイユのばら展」に行って来ました。
池田理代子先生の漫画は、私の原点。人はまず親から教育を受け、
次に異なる価値観を別の人から受けて成長するのだと思いますが
私の場合はそれが理代子先生の漫画。
特に「ベルサイユのばら」からは価値観や美的感覚など、
今ある私の感性すべてを培われたように思います。

その理代子先生の原画展・・・素晴らしかったです!
繊細で華麗なペンのタッチはまさに芸術的。
沢山の原画をじっくり隅々まで見ながら歩いたのですが、
途中感涙しそうになって困りました(笑)
私はリアルタイム読者ではないのでたまにオークションで当時の掲載雑誌を
買うこともあるのですが、画力や物語の構成力は当時ではダントツです。
あらためて原画展を見て、私を感動させてくれた理代子先生に大感謝。
既に世界中で愛されてるこの作品ですが、
きっとこれからもずっと母から子へと読み継がれるのでしょう。
そのうち理代子先生の博物館も出来ますように☆



 
Amazon:永遠の「ベルサイユのばら」
 
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池田理代子さんを読み倒す。(36)『私漫画』

2007-04-03 (Tue) 13:48[ 編集 ]
12作の短編の連作です。理代子先生が人間として・女性として、壮絶に生きてきた事をこの連作は如実に物語っています。各作品は皆、誰もが持つ心の闇が怖いほどリアルに描かれていて、真剣に人間や己と向き合ってきた理代子先生ならではの濃い作品。身震いするほどの人間の情念を、是非目の当たりにしてみて下さい。1986年7月~1987年6月(昭和61年~62年)、月刊カドカワに連載されました。

**あらすじ**

「第一話 食卓の情景」
恭介は母が亡くなる直前に父の死の真相を知らされる。その時から恐怖が始まり・・・。
「第二話 時間の情景」
夫と共に温泉旅行のツアーに参加した恵子は、昔の恋人とその妻に会い・・・。
「第三話 陰翳の情景」
大御所の作家・古沢は身に覚えのないスキャンダルに憤慨するが・・・。
「第四話 避暑地の情景」
平凡な夫婦生活を送っていた泰子は、避暑地で出会ったタクシー運転手に運命を感じ・・・。
「第五話 幸福の情景」
佐和子は昔の恋人の部屋を訪れ、結婚するからあなたの子供を孕ませてと言う・・・。
「第六話 友情の情景」
五百木が、常務の娘と結婚した。その時、五百木の親友で同僚の高畠は・・・。
「第七話 ピクニックの情景」
田之倉が小学生の頃、目の前で同級生が自殺した。そして時が経ち、田之倉の母親が・・・。
「第八話 未来の情景」
早紀子の家に、夫を亡くした伯母が転がり込んできた。伯母は占いに凝っているが・・・。
「第九話 黄昏の情景」
15年ぶりに会った教え子が自分と同い年の男と不倫をしていると聞き、老いた教師は・・・。
「第十話 引っ越しの情景」
漫画家志望のちか子と暮らし始めた素子は、彼女のマイペースに振り回され・・・。
「第十一話 死線の情景」
若い男と再婚した資産家の女性が死んだ。その時息子は・・・。
「第十二話 寝室の情景」
夫に浮気相手がいると知った佐知子は狂言自殺を図った。しかし、佐知子の真の目的は・・・。

16~20頁の短編ばかりですが、たったそれだけの枚数で濃い人間ドラマを描き上げる理代子先生の技量に感服です。「引っ越しの情景」はほのぼのとさせられる微笑ましい作品ですが、他は濃い情念の物語ばかり。女性のしたたかさ、男の愚かさ。平凡な日常の中にふと燃え上がる激情。それらを綴ったこの連作集にふさわしい言葉が、高橋三千綱氏のあとがきに書いてありました。
『これは大人でなくては描けない。そして、女っぽくなくては描けない。したたかでなくては描けない。男に元手を使った女でなくては描けない。男を、愛し、「祈った」女でなくては描けない。男と、並行して走れる女でなくては描けない。池田理代子でなくては、描けない。』
正に、その通りです!

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池田理代子さんを読み倒す。(35)『エロイカ』(後に『栄光のナポレオン』に改題)

2007-04-02 (Mon) 23:25[ 編集 ]
『ベルサイユのばら』連載終了後、理代子先生が描きたかったのはフランスの英雄(と言われた)ナポレオンだったそうです。そして革命を生き延びた『ベルばら』の登場人物・・・アラン、ベルナール、ロザリー達にナポレオンを見守らせながら、ナポレオンの栄光への道と帝国の崩壊の様を深く掘り下げて描いたこの劇画は、ナポレオンを識る上でとても役に立つのでもはや重要な歴史読本とも言える作品に仕上がっています。1986年(昭和61年)5月~1995年1月まで9年に渡って「婦人公論」に連載されました。理代子先生の一番長い劇画です。

**あらすじ**
革命後のパリ。権力争いは混乱を極め、民衆はフランスの安寧を望んでいた。そこにコルシカ出身の軍人、ナポレオンが登場する。連戦を重ねる彼を民衆は英雄と奉り、その胸に宿る野望をフランス国民は見抜くことが出来なかった。それをいち早く察した革命の精神を貫くアランとベルナールは、ナポレオン暗殺を決意するが・・・。

ナポレオンがいかに栄光への道を駆け上り、そして自ら築いたナポレオン帝国を崩壊させてしまったか。その背景にはどのような外交情勢があって、ヨーロッパは、フランス国民はどのように混乱していたか・・・。このストーリーの全容を語るには多分、本を書かなきゃならないです(笑)理代子先生はナポレオンとその時代、人間達の精神を描くに当たって、「ベルサイユのばら」に登場した人物達を起用しました。革命精神をそのまま胸に秘めているアラン、ベルナール。そしてロザリー。民衆がナポレオンを持ち上げるようになる様を冷静に見つめ、どのような問題があったかを彼らは分かりやすく読者に伝えてくれます。これはもう、読んでくださいとしか言えないです(^-^;) 男性を主人公に描くことが稀な理代子先生ですが、先生の描く若い頃のナポレオンはとても美しく、魅力的なことこの上ありません。ジョゼフィーヌを愛しぬくナポレオンにはかなり苛々させられますけどね(笑)英雄と呼ばれた一人の軍人・ナポレオンと、フランスという国の辿った軌跡を是非ご覧になってみてください。

※欲を言うと、宰相バラスやカトリーヌ、ベルナールはアシスタントさんではなく理代子先生に描いて欲しかったなと思います。理代子先生の流麗な絵が好きなので、絵柄の差が気になってしまいます(^-^;)

 

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池田理代子さんを読み倒す。(34)『ベルサイユのばら外伝』

2007-01-29 (Mon) 23:15[ 編集 ]
少女漫画の金字塔に立つ『ベルサイユのばら』連載終了から12年。少女漫画誌、月刊「Jam」創刊号から目玉として『ベルサイユのばら外伝』の連載が開始されました。「Jam」に掲載されたので、「Jamばら」とも呼ばれています。私もリアルタイムで雑誌を買って読んでいたのですが、またオスカル様に会えたことの喜びはとても大きかったです(^-^)1984(昭和59年)6月~翌4月まで、Jamが廃刊になるまで掲載されました。

**あらすじ**
オスカルの一番上の姉の娘、ル・ルー・ド・ラ・ローランシー6歳。お転婆でおしゃまな彼女が、行儀見習いのためにジャルジェ家に住む事になった。しかし、パリに到着した彼女の乗っていたはずの馬車にその姿はなく・・・。彼女の巻き起こす騒動に頭が痛いオスカルやアンドレだが、やがて次々とパリに起きる難事件を彼女と解決していくことになる。

時系列的には、オスカルが黒い騎士を追っている頃のお話です。アンドレはまだ目を負傷してなくロザリーもジャルジェ家にいるので、あの激動の日々の束の間のひと時のお話かと思うととても感慨深いですね。『オルフェウスの窓』でも複雑な謎解きミステリーを描いていた理代子先生ですが、この『外伝』もミステリーとしてはとても緻密で面白い作品になっています。しかしル・ルーちゃんが主人公ということで、ミステリー以上にコメディ色も強く、大人から子供まで万人に楽しめる作品になっているのはさすが理代子先生といったところでしょうか。ちなみにル・ルーちゃんはとても人気があって、私は小学生の頃ル・ルー人形を自作しました(笑)あと、Jamの読者ページにル・ルーちゃんのイラストを描いて送って掲載されたり、とか。そんな思い出のあるこの『外伝』ですが、Jamの廃刊によって連載も終了してしまいとても寂しかったです。
そしてこれはよく聞く話ですが、本編の『ベルばら』終了後『オルフェウスの窓』『女帝エカテリーナ』などの大作を経て、この『外伝』を描くまでに理代子先生の画風がかなり劇画タッチになっていて、その間の作品を読んでいない方は画調の変化に驚かれるようです。私はデビュー初期の頃の絵柄も、ベルばら期の華麗な絵柄も、そして今現在の劇画タッチも同じように大好きです(^-^)



当時のカラーページは切り取ってファイルに大事にとってあります

 
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池田理代子さんを読み倒す。(33)『風を摘むプシケ』

2006-11-01 (Wed) 14:33[ 編集 ]
シナリオライターの矢島正雄氏(2005年放映の高視聴率を記録した安達祐実主演ドラマ「積木くずし真相 ~あの家族、その後の悲劇~」の脚本、漫画「人間交差点」の原作などで人気)の原作で理代子先生が描く、TVや映画界の抱える問題をベースに男と女の複雑に絡み合う姿、そして人間達の成長の姿を描いた傑作中篇です。題材が題材だけに難しいかなとは思うのですが、ドラマ化などには最適の人間物語かなと。「FOR LADY」に1983年(昭和58年)~1985年まで連載されました。

**あらすじ**
映画製作を夢見て大学を卒業した圭子。一流商社の内定を蹴ってまで就職を決めた映画雑誌出版社は、圭子が初出社をすると倒産していた。一人残った若い男性ライター・魚住の元で新しい映画雑誌の記者として働き始める圭子。そこで圭子は名監督・丸山英心と出会う。圭子は丸山の取材をするうちに彼に惹かれるが、丸山の下でシナリオを勉強し始めた学生時代からの親友・由美が丸山と不倫関係であることを知って傷つくと同時に、女性が芸能界で夢を叶えることの難しさを知る。そんな折、大物女性プロデューサー・大林が圭子の情熱が人の心を動かすことを見抜き、圭子を2時間ドラマのプロデューサーとして抜擢する。初めての仕事は困難を極めるが、圭子の手腕を気に入った人気女優・吉井もも子は圭子をマネージャーとして雇い、社長を兼任させて事務所を設立する。圭子はもも子の主演する3時間ドラマの脚本に丸山と別れた由美を起用するが、混乱した現場で圭子が下した判断に徐々に周囲が反発をし始め・・・。

厳しい芸能界で生きる人達の、綱渡りをするかのような緊張感のある人間物語。読み始めると今でもドキドキして一気に読み進んでしまいます。あまりに急激に走りすぎて、心を常に傷つけている圭子。しかし誰もがそのような地獄と天国の境を彷徨っている芸能界の中で、圭子は心を強く持ち、映画を作るという夢を叶えようと必死に生き抜いていきます。彼女の情熱もさることながら、芸能界で生きる全ての人たちの血を吐くような生き様が痛いほど心臓に訴えてきて感動的です。
個人的に、映画監督の丸山英心とその盟友であるライターの魚住に、ある監督とその近しい人をついつい重ねてしまうのですが、現実の芸能界でもそんな厳しい世界で素晴らしい作品を作り出していく製作者さん達ってすごいなと思います。圭子の言うように、最初は誰もが「いい作品を作りたい」との思いでこの業界に入り、そして視聴率やその他のしがらみに囚われて初心を失っていく・・・それに打ち勝ち、表現者として最高の作品を共同で創り上げることの難しさ。そして「良い作品を作りたい」その情熱を捧げて作品を作らなければ視聴者の心を打てないこと。圭子を初め、登場する製作者たちはそんな事を読み手に訴えかけてきます。ぜひ映像化を望みたい、素晴らしい作品です(^-^)

  

楽天:風を摘むプシケ(全3巻)
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池田理代子さんを読み倒す。(32)『女帝エカテリーナ』

2006-10-05 (Thu) 00:01[ 編集 ]
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レディースコミック期に入ってからの理代子先生の描く歴史物は、「劇画」と称するに相応しい、史実を深く考察しながら歴史のうねりや人間の本質を描き出す作品となっています。少女漫画では描けない、歴史自体の持つ壮大な息吹をも感じさせる今作品は、そんな歴史劇画の中でも最高傑作。ファンならずとも必読です(^-^)
原作はアンリ・トロワイヤ。婦人公論に1983年(昭和58年)~1984年まで連載されました。

**あらすじ**
18世紀、帝政ロシア時代。ドイツの田舎貴族の娘として生まれたゾフイーは、ロシア皇太子(後のピョートル三世)に嫁ぐ事になる。ゾフィーはエカテリーナと改名し、ロシア人として、治世を志す者として知識と教養を身につける事に全力を尽くす。しかし、皇帝候補としての資質に欠けるピョートルとは次第に夫婦として心が離れていってしまった。最初の愛人に翻弄されて女としての心を傷つけられたエカテリーナは、男性を今後自分の世界の中心に置かないことを決心し、玉座に向かって秘かに歩き出す。苦難の末にクーデターを成功させ女帝として即位したエカテリーナは、類稀なる治世の才能を発揮して広大なロシアを治めてゆく。しかし老いは肉体や精神を退化させ・・・

ロマノフ王朝の第8代皇帝エカテリーナ二世を、一人の女性としての視点から描いた壮大な劇画です。数々の愛人を持ち、芸術や文学を愛し、治世の術を学ぶ事に尽力したエカテリーナ。この視点から見て初めて、彼女の偉大さが真に分かるというものです。当時のヨーロッパは、フランスにルイ15世、オーストリアにマリア・テレジア、プロイセンにフリードリヒ二世、イギリスにジョージ三世が君臨している時代。それまでの勉学と恋愛で、自分を、そして国を統制する術を学んだエカテリーナは、その才能を見事に開花させ、その存在に帝国ロシアを具現化しました。
しかし、老いは残酷なもの。啓蒙思想を愛したエカテリーナですが、老年フランス革命が勃発すると、帝政国家の変革を恐れてその書を捨て去ってしまいます。その頃からエカテリーナは変わり始めました。愚かな男を愛人にし「薔薇色の目隠しをしている」と揶揄され、ずっと彼女を支えてきた聡明な腹心をも失ってしまいます。
私がこの「女帝エカテリーナ」を読んだのはまだ中学生の頃だったのですが、実際のところ、何故彼女がこのように様のない変遷を遂げたのかが当時全く分かりませんでした。しかし大人になってから読んでみると、その思想的変遷も恋愛的変遷もとても興味深い人間物語として存在し、その移ろいやすい人の心が国を、そして歴史をも動かす力となる事がとてもスケールの大きいドラマチックな出来事として心に響いてきます。
エカテリーナ。その人物から学ぶことはとても多いです。彼女のようにじっくりと長い道のりを、弛まず倦まず着実に歩み、今から30年後・50年後の自分を想定して何かを学び行動してみたい、そう思わされる素晴らしい書です。


原画集持ってます♪


アンリ・トロワイヤの原作本です
 

文庫版です(全3巻)
   
 


池田理代子さんを読み倒す。(31)『蒼い柘榴』

2006-09-28 (Thu) 22:14[ 編集 ]
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エピタラム - 祝婚歌 -」と並んでレディースコミック期の理代子先生の最高傑作です。前者は少女から大人への変遷を描いたもので、こちらは人生の辛酸を嘗め尽くしてきた大人の女性の更なる変遷。人生を懸命に生きてきた方なら、このお話を読むと胸や心の奥底がひしひしと痛むことに気が付くでしょう。物語というよりは、現実がそのまま描かれているよう。このようなストーリーを描ける先生に感服します。女性漫画誌YOUに1982年(昭和57年)~1984年に、6章に渡って連載されました。

**あらすじ**
柘榴ばかりを偏執的に描く35歳の女流画家・波木邦子。父親の不倫による母親の焼身自殺という過去を持ちながらも、自らも不倫の恋に身をやつし、その人生を柘榴に塗りこめてきた。愛に絶望しかけていたその頃、邦子は8歳年下の若い編集員に真っ直ぐに愛を突きつけられる。そして不倫相手の妻の死を経て、二人の男性からプロポーズされる邦子。甘い夢を見始め、もう一度人生を生き直そうとする邦子たが、思わぬ裏切りにまたその心を傷つけてしまい・・・

邦子の描く柘榴は、実家の大きな木の柘榴。樹に残る母の死痕、そして思春期の残酷な経験が、邦子の身体に深く刻み込まれ、キャンバスに柘榴ばかりを描かせています。心臓が弱い故に自分の死を身近に感じ、一度ならず妻子のいる相手と恋をしてその心を削ってきた邦子。そして愛に絶望しかけていた頃に、彼女は率直に愛をぶつけてくる青年・真下に出会います。女性に対して愛を感じたことのない彼の熱病のような恋は徐々に邦子の心を溶かし、もう一度夢を見てみたいと思わせるまでに邦子を熱くかきたてますが、彼の若さがまた彼女をひどく傷つけることに・・・。
「もう、柘榴なんか描かない」そう言ってキャンバスを切り裂く邦子。悲しいことに、お話は彼女の絶望で終わることになってしまいます。
これほどまでに現実的で、残酷な大人の人生と愛、そして死。死してなお邦子を苦しめる母の幻影は、愛に傷つく全ての女性の心に住み着いている女の恐ろしい情念の象徴です。誰かを傷つけたり、永久に苦しめたりしたいほど破滅的な愛し方を貴女はした事がありますか?そんな愛がこの中篇に恐ろしいほどの密度で描かれていますので、経験済みの人もそうでない人も、是非読んでみてください。きっと読んだ後に心の痛みを禁じえないと思います。人間的に豊かな人ほどその度合いが大きいことと思いますのでご注意を(^-^;)
全ての大人の女性に読んで欲しい、そんな大傑作のレディースコミックです。



楽天ダウンロードで読めます(^-^)
蒼い柘榴 (1)  蒼い柘榴 (2)

蒼い柘榴 (1) 蒼い柘榴 (2)

本は入手が困難ですが、古本でなら入手可能です。

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池田理代子さんを読み倒す。(30)『エピタラム - 祝婚歌 -』

2006-07-04 (Tue) 14:30[ 編集 ]
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大人の女性向けの連載で始めて理代子先生が描いたのがこの作品です。社会人になりたての女性が大人として歩んでいく姿を繊細に描くこの作品は、理代子先生が人間として・女性としてとても豊かな方だということをひしひしと思い知らされます。女性漫画誌FOR LADYに1981年(昭和56年)~1982年に連載されました。

**あらすじ**
愛人の子として生まれ、母と二人で暮らしていた杳子(ようこ)。早く大人になりたいと願っていた杳子は高校を卒業してすぐ就職する。愛人の子と後ろ指を差されても冷めた気持ちで生きてきた彼女だが、20歳の誕生日に今までの自分から脱皮して生まれ変わろうと決心し、自分を慕う学生に処女を捧げる。
その後、秘かに慕っていた大手工務店の息子・滑川と交際するようになり、彼の東京での就職をきっかけに杳子も「東京の大学で勉強をして自分に何ができるか試したい」と思うようになる。東京での半同棲生活を送る杳子と滑川だが、「自立したい」という言葉とは裏腹に杳子へのプレゼント代を親に仕送りしてもらったり、妊娠した杳子を放り出して親に泣き付いたりする滑川に、杳子は徐々に失望を覚える。それでも彼から離れられない杳子だが・・・

非常にしっとりとした、愛を知った女性の心の成長物語です。私が最初にこの作品を読んだのはまだ10代の子供の頃だったので全然その素晴らしさを理解できていなかったのですが、今になって読み返すと杳子の心の揺れ・痛みなどがとても身近なものとして伝わってきます。人が自立するということは?人を愛するということは・・・。父がなく育ち、男性に対する規範を持たない杳子は、滑川との関わりの中で自分自身の自立をも学んでいきます。
最後に杳子は、別れないでくれとすがりつく滑川を泣きながらはねつけます。滑川のことを愛してやまないけれど、自分の足で立つこと、強くなること。前に進むこと。引き裂かれるような苦しみの中で、杳子は別れを選びます。
自分の可能性を試したいのにずるずると引きずるような恋愛を続けて苦悩するという経験は、沢山の女性が経験しているのではないでしょうか。そんな等身大を生きている女性や、若かった頃の自分を思い出す女性たちなど、多くの大人の女性たちに共感を得るであろう杳子の葛藤や心の揺れは、祝婚歌のように優しく胸に響くことでしょう。
理代子先生の少女漫画を読んで大人になった方には是非読んでいただきたい秀作です。



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エピタラム -祝婚歌- (1) エピタラム -祝婚歌- (2)

エピタラム -祝婚歌- (1)
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池田理代子さんを読み倒す。(29)レディースコミック初期の短篇

2006-06-21 (Wed) 18:33[ 編集 ]
1981年に大作「オルフェウスの窓」の連載終了後、理代子先生は活躍の場を「YOU」「FORLADY」などのレディースコミックに移します。レディコミと言っても人前で読めないようなものではありません(^-^;) 理代子先生の漫画を読んで成長した少女たちが大人になり、恋愛や仕事、家庭での苦しみや葛藤を時には優しく、ときには辛辣に描かれる作品たちに共感し涙する。そして力を得たり何かをあきらめたり・・・。
少女漫画ではひたすら「夢と理想」が描かれましたが、レディースコミックではひたすら「現実」が描かれます。現実を深く掘り下げて本質を露にし、人間とは?女とは?人生とは?愛とは?・・・答えの出ない問題を様々な作品で読者は問われることになります。読み手が人間として成長するに連れ、理代子先生の成長とも向き合うことになりなんとも感慨深いですね。
以降の作品は、大人の女性を主人公に描く「レディースコミック」、そして歴史の本質を掘り下げて描く「歴史長編劇画」。どちらも理代子先生自身の人生を投影した力作ぞろいです。まずは短篇を紹介しますね。

○パラノイア(「FOR LADY」1981.№1創刊号掲載)
とみ子は学生の頃から夢ばかりを見ているような少女だった。地味な外見とは裏腹に、自分を取り巻く男性達に迷惑を掛けられていたり、皆に愛されていると自慢したり。しかし、彼女の思い込みは真実として彼女に宿っていて、そこから逸脱した男性を次々と窮地に追いやっていき・・・

とみ子は精神病院に入院し、その精神の闇を周囲にいた人々に医師が過去の出来事を聞くという形でお話は進みます。多かれ少なかれ人には思い込みと言うものがあり、特に女性にはその思い込みが強い人というのが男性よりもはるかに多いように思いますよね。しかしそういう精神の形成過程を辿っていくと幼児期の発育の段階に普通でない生活環境にあったことが多いとか。とみ子の場合も親に捨てられたという過去があり、心に負った傷が愛されたいという思いを異常な方向へと導いていったものと思われます。子供を育て方の大切さを実感させられる作品です。

○秋の華(「YOU」1981.№1掲載)
29歳の容子と23歳の大崎が恋に落ちる。離婚した容子に「結婚しよう」と言う大崎だが、容子は「年下のあなたに私の人生は背負えない」「老いは誰にでも平等にやってくるけど、6年の歳月には6年の差でやってくる」と告げ、二人は別れることに。そして8年が過ぎ、大崎の元に容子から「会いたい」と電話が来た。妊娠して体が思うように動かないためイラついてばかりの妻とつまらない家業にうんざりしていた大崎は、容子との楽しかった逢瀬を思い出す。しかし8年ぶりに姿を現した遥子は、二の腕がたるみ、腹の脂肪が目立つ女性になっていて・・・。

レディースコミックにはヒーロー・ヒロインは登場しません。主人公はいつも等身大の人間です。「秋の華」の場合、登場人物のだれもが小さな間違いを犯し、弱く、人生を後悔して生きています。大崎が最後に言うように「歳月は、ともに分け合えば老いの隙間など埋めていけるんだ」。それを若い頃に分からなかった二人の過ちが現在の二人の生活を招いているのでしょう。
個人的には「おろかな二人だな」と思ってしまいます。なぜなら、私のパートナーも6歳下ですから。年の差に関しては実際なんの心配も感じません。美しかった容子は37歳であの体型になってしまいましたが、子供を産んでいるわけではないので努力を怠らなければそうそうあの体型にはならないと思いますし。良い人生を送ってこなかったのだなと・・・。自分の人生と照らし合わせてこういう感想を持てるのも、レディースコミックならではですよね。

○ウェディング・ドレス(「YOU」1981.№5掲載)
お針子としてキャリアを積んできた徳子。少しずつ貯金をしてやっと純白の絹のレースを手に入れたとき、好きな人は去っていった。同じように自分でウェディングドレスを縫うという夢を持っていた後輩の美也子はその夢を叶える。その美也子の兄は30を過ぎた独身で、徳子は少なからず好意を持ったが、ある日彼の婚約者にドレスを縫ってほしいと依頼される。男性に好きと言われたこともなくミシンと向き合ってきた今までの人生を徳子はつまらなく思い、そのやるせなさをドレスの仕立てにぶつけてしまう・・・。

もし徳子が自分の積みあげてきた「キャリア」の大切さに気付くのが遅かったら、徳子の人生は最悪のものになっていたでしょうね。何の罪もない彼の婚約者に恥をかかせるために縫製を甘くした徳子。崩壊するのは花嫁でもドレスでもなく、徳子自身の大切な人生なのです。もう一歩の所で徳子はその大切さに気付きましたが、これからは培った信頼を大切にして、決して自分の人生をつまらないだけのものではないと思うはず。そんな一つの幸せの形に焦点を当てた秀作です。

○ウェールズの紅いバラ(女性週刊誌1981頃)
ダイアナ妃の誕生からチャールズ皇太子との結婚までを描いたご成婚記念の企画作品です。今は残念ながらダイアナ妃は亡き人となってしまいましたが、当時のダイアナフィーバーは凄かったです。そんな懐かしい時代を思い出せるドキュメンタリー。

【収録】
パラノイア:池田理代子短篇集(1)
秋の華:池田理代子短篇集(1)池田理代子the best「愛と闘う女たち」
ウェディングドレス:池田理代子短篇集(3)
ウェールズの紅いバラ:ウェディング・ドレス

レディコミ期の秀作が収められています
池田理代子THE BEST/愛と闘う女たち 池田理代子THE BEST/愛と闘う女たち
池田 理代子 (2001/12)
集英社

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池田理代子さんを読み倒す。(27)『オルフェウスの窓』第4部(レーゲンスブルク最終編)

2006-06-01 (Thu) 15:07[ 編集 ]
伝説に支配された悲恋の結末は、すべてこの章に結びついています。運命に翻弄された悲劇の恋人達の行く末をしっかり見守ってください。1981年(昭和56年)4月号~8月号に掲載されました。その後、18年の時を経て外伝が連載されます。

**第4部「レーゲンスブルク最終編」あらすじ**

ロシアからアーレンスマイヤ家に帰ってきたユリウスは、アレクセイとお腹の子を失ったショックで廃人同様の日々を送っていたが、ロシアの皇女アナスタシアだと名乗る女性の新聞記事を目にしてから様子が変わってきた。ユリウスの記憶を取り戻すため、姉マリア・バルバラは音楽学校での親友だったイザークとダーヴィトに協力を依頼する。そして彼ら以外にもユリウスを記憶の闇の部分におびき出そうとする人物がいることが分かる。一方、イザークの元にピアニストのヴィルヘルム・バックハウスが訪ねてくる。イザークはロベルタの忘れ形見である息子ユーベルをバックハウスに託し、自分の叶わなかった芸術の高みへとユーベルを送り出すことを決意する・・・。

最期のユリウスの言葉に全てが集約されています。「魂がこんなにも痛みをたえながらたどってきた数々の想いはどこへ行ってしまうのだ。あの苦しみはどこへ、あの悲しみはどこへ・・・あの天地の裂けるばかりの愛はどこへ」。長い間ユリウスの数奇な運命を見守ってきた方にとっては号泣を免れない言葉ですよね。愛ゆえにクラウスを追い、愛ゆえにクラウスに向かって叫びそのせいで彼を失ってしまう。そんな悲しすぎる運命を彼女に用意した「オルフェウスの窓」。しかしどのような悲劇に耐えようとも、人は人を愛せずにいられません。賢者ダーヴィトが言います。「傷つくと分かっていても、人は愛し、希望し、感動せずにいられない。とどのつまり、人間は傷つくように出来ているというわけだ」。愛するものたちは神を恐れず、運命を恐れず・・・そんな風に生きてきて素晴らしい教訓を与えてくれた登場人物たちに、そして誰より、このような素晴らしい物語を生み出してくれた池田理代子先生に心からの敬意を表します。

そしてこの作品は、池田理代子先生の最後の少女漫画になります。7年という歳月をかけて連載される間に理代子先生自身が人生経験を重ね、その作風も絵柄も大きく変わりました。通して読むと最初と最後の絵柄の違いに驚かれる方も多いでしょう。しかしそれは紛れもなく、一人の人間である理代子先生が漫画家として・人間として生きてきた証。人生を作品に投影できる、漫画家としては希少な「芸術家」でいらっしゃると思います。
その後の作品は「大人」を対象に、鬼気迫るほどの人間の真実を模索する作品が続きます。「オルフェウスの窓」や「ベルサイユのばら」を読みながら大人になった方も是非読んでみてください(^-^)

最後に・・・「オルフェウスの窓」という素晴らしい作品に出会えて幸せです。私の一番好きな漫画はこの作品で、多分一生変わらないと思います(^o^)
♪ユ~リウスお前~こそ~、ユリウスお前~こそ~
幸せはあの彼方~ その日まで~その日まで~涙を捨ててゆけ~♪
(↑ご存知の方いらっしゃるかしら・・・ヒント:宝塚)

※「オルフェウスの窓外伝」では第2部で行方不明になってしまった「キース坊や」のその後が描かれています。

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池田理代子さんを読み倒す。(26)『オルフェウスの窓』第3部(ロシア編)

2006-05-31 (Wed) 15:21[ 編集 ]
壮大な悲劇もいよいよ真骨頂です。舞台はロシア。ニコライ2世の治世から世界初の社会主義国家樹立への革命を背景に、悲恋と人間模様を描きます。ロシア革命の背景や思想がかなり緻密に描かれていますので読み応え充分。絵柄も重厚さを増し、美しいことこの上ありません。1978年(昭和53年)9月号~1981年2月号まで連載されました。

**第3部「ロシア編」あらすじ**

革命家として活動するアレクセイ(クラウス)を追ってロシアにやってきたユリウスは、市街戦の流れ弾を受けて負傷し、皇帝の側近ユスーポフ侯の邸宅に連れてこられて軟禁される。アレクセイに会うために脱出の機会を伺うユリウスだが、ようやく彼に出会えた時に事故で記憶を失ってしまう。ユリウスが皇帝の隠し財産を預かるアーレンスマイヤ家の当主であることを知ったユスーポフ侯は、何も話さずに彼女を手元に置いておくが、革命家として活動をしていたアレクセイがシベリアに流刑中に事故死したという知らせを受けてユリウスを故郷に帰そうとする。しかしその途中に偶然ユリウスとアレクセイは出会い、ユリウスの記憶が無いことをアレクセイは知る・・・。

かなり大雑把なあらすじになりましたが(^-^;) この第3部は革命の時代に祖国を愛するそれぞれの人達の思想や人生で緻密に構成され、その価値観の相違が登場人物ごとに事細かに設定されており、歴史的背景も人間模様も3次元的に物語を描くことに成功しています。
ユリウスが愛するアレクセイは、祖国を思う気持ちが人を愛する気持ちより優先される人。義姉アルラウネの指導の下、労働党メンシェヴィキで革命家としての活動を行っていましたが、方針の違いからアルラウネと決別してレーニン率いるボリシェヴィキに移ります。理想の社会を目指す活動をするには恋愛に費やす時間などない・・・彼はそう考えて、ミュンヘンではユリウスに嘘をついて置き去りにし、ロシアでは国境を越えて追いかけてきたユリウスを残酷な言葉で突き放します。
そんなアレクセイを諭すのが、ボリシェヴィキの同志スボフスキー。彼の懐の大きさや温かさがアレクセイに「愛がもたらすものの尊さ」を教えてくれます。愛がすべてであるユリウスにとっては不幸の連続でしたが、ようやくアレクセイと結ばれてつかの間の平穏の時が訪れました。しかしそれは「オルフェウスの窓」の悲劇へと繋がることになってしまいます。

ロシア編ではもう一人重要な人物が登場します。皇帝ニコライ2世に仕えるレオニード・ユスーポフ侯。アレクセイとは立場が全く逆ですが、同じように祖国を想い、軍人として祖国を守る為に闘います。彼のモデルは実在の人物で、当時皇后の信頼を得て宮廷の政治の場で強い権力を振るっていた怪僧ラスプーチンを殺害したユスーポフ侯その人(ただ、実在のユスーポフ侯は同性愛者の気があり女装趣味があったとの事なので、大分脚色されています)。このレオニードが実にカッコいい!「氷の刃」と異名を取り、冷徹に任務をこなす優れた軍人。クールで鋼鉄のようなレオニードがただ一度ユリウスに心を許した場面は感動的でした。(ちなみにユスーポフ侯にとても忠実な部下ロストフスキー大尉は、男性を愛する人と言う設定で描いたと後に理代子先生が語っています)

一方、この物語の主人公であるユリウスは、過酷な運命により徐々に精神を病んでいってしまいます。第一部の男装の麗人としてのかっこいいユリウスが好きだった人にはその姿は見ていて辛いものだとは思いますが、彼女の歩んできた道を考えるとそうなってしまうのが自然ですよね。読者は彼女の想いがアレクセイに届くのをひたすら祈りながら革命活動を見守ることになるわけですが、その渦中にも様々な人間の生き様を目撃させられます。
ズボフスキーを愛し、その思想までも愛して「同志」になるガリーナ。過激なスパイ活動を繰り返すミハイルを独占したいために彼の仲間を売ってしまい、共に破滅の道に行くしかなかったアントニーナ。幼馴染のアレクセイをシベリアから救出するために活動を行い、ウィーン滞在中に逮捕されてシベリアに送られてしまうアナスタシア。使用人との恋に落ち、彼がスパイだったと知って苦しむヴェーラ。そしてアレクセイに愛されない苦しみから、民衆にアレクセイの家族を襲わせてしまうシューラ(私的に、この物語で最も許せない人物です(^-^;))。革命を背景に、その愛の形も過酷さを伴っていますので、その一人一人に思いを馳せる度に涙を流させられてしまいます。

そしてこの「オルフェウスの窓」第3部が他の少女漫画に比類無き理由は、一つの国が社会主義へと変遷する過程を実に緻密にじっくりと描いており、単に革命時代に生きた人々の人生を描くだけでない、歴史の中身自体を描く為に書かれたという点にあります。理代子先生の代表作であり少女漫画の金字塔に立つ「ベルサイユのばら」は、低年齢層も対象であったためにヒーロー・ヒロイン物語の形を取られていました。勿論その方が万人に受けるとは思うのですが、敢えて難しくなりがちな作風を選んで描けたのは、これまでの理代子先生の功績による信頼に他なりません。
1917年に帝政ロシアが崩壊し、1922年にソビエト社会主義共和国連邦が成立します。スターリンの独裁政治を経てゴルバチョフ書記長指揮のもと行われたペレストロイカ(改革)が進められ、1991年にはソビエト連邦が解体されるわけですが、理代子先生がロシア革命を描こうと思った理由は当時(ブレジネフ書記長の時代)ソ連の体制への批判がすさまじく「ロシアの体制はもうだめだ、即革命は無意味だ」という論調が広がっていたので「それは違う。革命を起こしていた人達はこんな思いだったのですよ。その後の指導者が道を誤ったのであって、革命を行った人々の思いを無にしたくない」という思いからだったそうです(「オルフェウスの窓大事典」より)。
ロシアに限らず、今現在も様々な国で祖国を思う人たちが祖国を守ろうと活動しています。その人達の思いは達成されても、その後の歩みを間違えてしまうと再び理想の国家を求めて国自体が迷走してしまう。漫画本編を楽しみつつ、未来の政治の在り方をも考えさせられる深い作品です。

ロシア革命に関する文献



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池田理代子さんを読み倒す。(25)『妖子』

2006-05-30 (Tue) 11:50[ 編集 ]
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「Λ(ラムダ)のとき」でタッグを組んだ池田悦子原作の華麗なるミステリー。推理小説さながらの緻密な駆け引き、妖子の悲しい魔性。自ら選んだ人生ではないのにそう生きざるを得ない苦しみが絶えず押し寄せる物語です。週刊マーガレットに1979年~1983年に掲載されました。

**あらすじ**

妖子は元華族の令嬢として愛されて育ったが、実は死刑囚が悪魔と交わり出来た子供だった。誕生して間もない頃、火事に乗じてすりかえられた事を知った両親は、施設に預けられていた本当の自分の子を探し出し、妖子を殺そうと画策した。あんなに愛してくれた両親が自分を殺そうとしていることを知った妖子はその本能を現し、自分を排除しようとする人物達を追い詰めていく。

妖子は実に華麗に心無い人達を破滅させていくわけなのですが、彼女の運命は悲しすぎて救いようがありません。「ラムダ」の魔里もそうでしたが、心から彼女を愛してくれる人も存在しないのです。肉親は死んでしまい、男性にも利用されて裏切られてばかり。どちらの物語もそうですが、少し幸せなエピソードもあるといいな・・・なんて。でもそこが池田悦子氏の作風なのかも知れませんね。原作の持つ世界が理代子先生の魔性の煌きのある絵柄で美しく展開される様は、この二人がとても相性のよい作家さん同士なのだなと感じます。質の高いミステリーなので、ドラマ化などいかがでしょう?妖子には10年くらい前だったら安達祐実さんがぴったりだったと思うのです。
ちなみにこの作品は、ミステリー好きの私の兄が絶賛していました。男性にも受けてます(^-^)



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池田理代子さんを読み倒す。(24)『Λのとき』

2006-05-29 (Mon) 14:36[ 編集 ]
緻密なミステリー漫画の原作者として有名な池田悦子氏とタッグを組んだミステリー作品です。Part1は1977年(昭和52年)JOTOMO(女学生の友。プチセブンの前身だそうです)に、Part2は1979年(昭和54年)プチセブンに掲載されました。

**あらすじ**

腕に「Λ(ラムダ)」の形の痣を持ち、死んだ母親の体内から生まれた荊魔里は、身寄りがないため貝原財閥で使用人として働き、寝たきりの総帥の世話をしていた。血縁者のいない貝原老人は相続人を魔里に譲るとの遺言書を作っていたが、そこに行方不明だった老人の姪・亜矢子が現れる。魔里を愛していたはずの弁護士・梶が、亜矢子の愛を得るため、そして財産を相続させるために魔里を騙していたことを知った魔里に、Λの痣の魔性が目覚め始める。

Λの痣は、神罰を受けたダビデが神を呪い、自分の子孫に恨みを晴らすように印として残した悪魔の烙印です。魔里は自分を裏切った人々を、そして罪の無い自分の恩人までもをその手にかけていきます。結果的に父殺しという恐ろしい罪を背負うわけですが、その魔性の残酷さ、そして誰にも愛されない哀れさが切ないミステリー短篇。池田悦子氏とのタッグは次作「妖子」に受け継がれ、華やかさを増す理代子先生の絵柄と相まって華麗なるミステリー世界を描いています。




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その他 池田悦子原作漫画

池田理代子さんを読み倒す。(23)『コラージュ』(オルフェウスの窓外伝)

2006-05-24 (Wed) 11:37[ 編集 ]
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「オルフェウスの窓」の第2部ウィーン編で、自分の母と不倫をしていた義兄を銃殺してしまった少年のその後のお話です。事件後アメリカに移住したエンマーリッヒ家。両親は離縁しヴォルフィは記憶を失ってしまいますが、悲劇的な様相を呈していた前半に比べ、終盤は大どんでん返しのハッピーエンド。理代子先生の作品としては珍しく、明るくアメリカンなお話。1978年(昭和53年)、前後編の作品です。

**あらすじ**

寄宿制の女学校に通っているマラベルは、母が再婚したので家に帰る気がせず、親友のドリィの家で夏の休暇を過ごすことにした。シカゴのドリィの家に向かう途中に新聞記者のヴォルフィと出会い、二人は惹かれ合う。しかし、ドリィの家で彼女の婚約者として紹介されたのはそのヴォルフィだった。ドリィを傷つけることを恐れて彼を突き放すマラベルだったが、母の結婚相手に男女の関係を迫られて家を飛び出し、ヴォルフィと結ばれてしまう。ヴォルフィはドリィに婚約解消を迫るが、「マラベルと話したい」と言われて二人でマラベルの元に行く途中、車のハンドルをドリィに取られ、車もろともがけの下に落ちてしまう。事故の知らせを聞いて病院で泣いていたマラベルのところに、マラベルの母がやってきた。マラベルの母とヴォルフィの父が話をしているのを聞いたマラベルは、自分とヴォルフィとが血の繋がった兄妹であることを知ってしまう。しかしマラベルのお腹には既にヴォルフィの子供が宿っていて・・・。

後に、兄妹であるヴォルフィとマラベルの間に出来たクリストファーと、ヴォルフィとドリィが結婚して出来たクレアが出会って恋に落ちます。そして運命の糸に繰られた二人は別れ、そのまた子供のパーシとフランシスが出会い・・・親子3代に渡る悲恋物語かと思いきや、とんでもないどんでん返しが待っています。今まで理代子先生の悲恋物には散々泣かされてきましたので、「たまにはこんなお話があってもいいよね」と思える楽しい作品です。
ちなみにすごく昔のことなのですが、理代子先生の原作・脚本でこの作品と似た題材の舞台があったと思うのですが、どなたか覚えてらっしゃいませんか?新聞に記事が載っていて、確か「アメリカで禁酒法ならぬ禁煙法が制定され」「ウルフと呼ばれる新聞記者が主人公」そして、主演の男優さんが主人公の2面性を演じるのが難しくて面白いというような話をされていました。検索してみたのですが分かりませんでした。ご存知の方いらっしゃいましたら教えて下さいませ(^-^;)





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池田理代子さんを読み倒す。(22)『クローディーヌ・・・!』

2006-05-19 (Fri) 16:04[ 編集 ]
理代子先生の短篇での傑作は?と聞かれたら真っ先に答えるのがこの作品。以前記事にした「ゆれる早春」も大好きですが、「ゆれる早春」が淡い爽やかな物語なのに対して、こちらの「クローディーヌ」は実にディープ。絵柄も熟しきってとても重厚な美しさ。物語は「男性の心を持った女性の記録」で、理代子先生の漫画に度々登場する男装の麗人の中でもとりわけ異彩を放っています。週刊マーガレットに1978年(昭和53年)、前後編で掲載されました。

**あらすじ**

母親に連れられて精神科医のもとにやってきたクローディーヌは快活で美しい少女だったが、「自分は本当は男の子なんだ」と言い、男の服を着て男友達とばかり交流していた。ある日、家に女中としてやってきた少女モーラにクローディーヌは恋をする。親に「結婚したい」と訴えたクローディーヌだったが、モーラは里に帰らされてしまう。
初恋に敗れたクローディーヌは年上の女性セシリアに恋をする。しかし彼女はクローディーヌの父親の愛人であり、彼女の弟もまた父の愛人であった。セシリアとクローディーヌの父は、嫉妬に狂ったセシリアの弟によって焼殺されてしまう。
クローディーヌが一生を捧げた最後の恋人は、大学で出会った美しいシレーヌだった。友人や家族を欺いて同棲し、クローディーヌは全存在をあげてシレーヌを愛する。彼女のためにあらゆる芸術や教育を施し、この世の全ての美と叡智をシレーヌに語った。
しかし、クローディーヌを訪ねてきたクローディーヌの兄とシレーヌが次第に惹かれ合って行き、シレーヌは愛の巣を出て行ったきり帰ってこなくなってしまう。クローディーヌが最後に下した決断は・・・

「ベルサイユのばら」のオスカルや、「オルフェウスの窓」のユリウスという理代子先生の男装麗人のキャラクターとこのクローディーヌの決定的な違いは、「心は男性であること」。つまり、性同一性障害(トランスセクシュアル・FtM)であり、理代子先生の作品の中では無二の存在です。
理代子先生が同性愛的要素を扱った作品は「ふたりぼっち」「ゆれる早春」「おにいさまへ・・・」がありますが、どれも少女時代の「本当の恋を知る前の淡い思い」という位置づけでした。しかしクローディーヌは男性の心を持って、本格的に女性を愛します。精神科医に「本当の男性でもかくも深く一人の女性を愛することは出来ないだろう」と言わしめるほどに。
しかしそのクローディーヌを裏切るシレーヌって・・・。彼女よりも、子供の頃から一途にクローディーヌを愛し続けたローズマリーの方が、好感の持てるキャラクターとなっていますね。我がままで一方的だけれど、クローディーヌを誰よりも理解し、他の誰とも違う愛し方をローズマリーは貫きます。顔にひどい火傷を負っても「何も後悔していない。私はあなた以外の男性になんて目を向けられなかったのだから」と言う彼女はとても潔く美しいなと思いました。

ちなみに、作品中でモーラがクローディーヌに出した「ココアとコーヒーと紅茶とミルクをいっしょくたに混ぜた飲み物」は、理代子先生のオリジナルで「ココフティー」と言うものなのだそうです。ココアやコーヒーが少しずつ残って勿体無いので混ぜて飲んだら美味しかった、との事。もし良かったら試してみてください(^-^)



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池田理代子さんを読み倒す。(21)『雨あがり』

2006-05-19 (Fri) 14:01[ 編集 ]
まるで雨あがりの清らかな空気のように、瑞々しく繊細な少女の心の成長物語です。きっと「短篇ではこれが好き」というファンも多いであろう好短篇。週刊マーガレット1977年(昭和52年)40号に掲載された62頁の作品です。

**あらすじ**

芹子は漫画家志望の小学6年生。その夢に反対する父に隠れて、自分の部屋でせっせと漫画を描いている。ある日、芹子の家にお手伝いさんとして絹がやってきたが、芹子は絹の息子が刑務所に入っているとの噂を聞いて、絹を避けるようになる。しかし絹の心の優しさに触れるにつれ、徐々に成長していく芹子・・・しかし、絹と心を通わせたのもつかの間、絹は体調を崩して帰らぬ人となってしまう。

人を理解すること、人の心を思いやることの大切さを、絹との触れ合いで芹子は学びます。優しい優しい、爽やかな物語で誰の心にもその感動は響くはず。芹子が4人姉弟の長女で漫画家志望という設定は、理代子先生自身がモデルになっているのかもしれませんね。弟と妹の可愛らしさといったらありません。リヨンのケーキと、絹のお土産(芹子がいらないと言ったもの)食べたいです(笑)
しかし絹の亡くなるきっかけとなった出来事が芹子の不注意(しかも好意)によるものだと知ったら、芹子は悲しむでしょうね・・・そんな事を考えると切なくなってしまいますが、文句なしの良作です(^-^)



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池田理代子さんを読み倒す。(20)『ズライカ』

2006-05-19 (Fri) 13:00[ 編集 ]
女性の純粋で一途な想いが、一人の男性を翻弄し、果ては一生を支配していく・・・そんな恐ろしさを静かに幻想的に、田園小説さながらのゆったりとした時間の中に描いてゆく美しい短篇です。掲載は1977年(昭和52年)のプチコミック創刊号。50頁の作品です。

**あらすじ**

コンラートが思いを寄せた幼馴染のズライカはやはり幼馴染のカールと愛し合っていたが、カールは戦争で帰らぬ人となってしまう。カールが最後にコンラートに残した言葉は「ズライカを頼む」。ズライカとカールは「どちらかが先に亡くなったら、その時は幽霊になって相手を訪ねる」と約束をしており、毎日お墓を訪ねるズライカをコンラートは「どうかしてしまうのではないか」と心配する。カールの遺志を全うするためコンラートはズライカに結婚を申し込むが、カールを待ち続ける彼女の強い意志に耐えかね、ついに夜中に彼女の部屋に忍び込んでしまう。だが暗闇でズライカはカールが会いにきたと思い込んでしまい、コンラートとの間に出来た子供をカールとの子供だと信じてしまう。しかし愛は奇跡を呼んで・・・。

コンラートは家柄も財産も申し分なく、行動的でその上ハンサム。読者からみたら「とっととコンラートと結婚すれば幸せなのに」と、カールの幽霊にしがみついているズライカにちょっと苛々(笑)そんなズライカの一途で純粋な想いがコンラートの心や行動を翻弄し疲れさせるのですが、彼女から逃れて他の女性のもとに行こうとしてもズライカに思いとどませられる。しかしズライカとは結ばれるわけではない。コンラートは彼女のために一生を尽くしてしまうことになります。結婚もせず、自分の子供とも親子の関係ではいられず・・・愛らしく純粋なのに魔性を秘めたズライカを見ていると、女の執念はかくも恐ろしいものかと思わせられますね。
この年は、先日記事にした「オルフェウスの窓」のウィーン編が連載されており、「ズライカ」も同様、理代子先生の人間(特に女性)の本質を追求する描き方がよりいっそう深まっていることが顕著に分かる頃合です。理代子先生のディープなファンには、この頃の作品はとても重要な作品となっているのではないでしょうか。

ちなみにズライカの本名は「マリアンネ」。コンラートとカールは、詩人ゲーテが恋人マリアンネを「ズライカ」と呼んだことにちなんで同じように呼びました。「ズライカ」とはイスラム文学の中でもっとも美しく才智ある女性の意だそうで、ゲーテの「西東詩集」に彼女との相聞歌を含む「ズライカの書」があることでも知られています。

ゲーテ全集〈2〉詩集―西東詩集



参考:1977年の出来事(ウィキペディアより)
アメリカ合衆国でカーター大統領就任
国民栄誉賞が創立される。初受賞は王貞治。
ピンクレディー「渚のシンドバッド」が大ヒット
映画「スターウォーズ」公開



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池田理代子さんを読み倒す。(19)『オルフェウスの窓』第2部(ウィーン編)

2006-05-17 (Wed) 12:56[ 編集 ]
第2部からは掲載誌を週刊マーガレットから月刊セブンティーンへ移しての連載となりました。これは理代子先生の希望で、ロシア革命などの歴史的部分を深く描きたいので低年齢の読者には理解しにくいだろうからとの配慮だとのことです。
この「ウィーン編」も、イザーク他登場人物の成長と共に様々な形の大人の愛を深くえぐり出すように追求しており、レーゲンスブルク編やロシア編ほどの激しさはありませんが、しっとりとして純粋で清らかな印象があり理代子先生自身も女性として深みを増していると容易に想像できる作品になっています。1977年(昭和52年)1月号~翌年年1月まで連載されました。

**第2部「ウィーン編」あらすじ**

ウィーン音楽院に留学したイザークは、ユリウスのいない苦しみと音楽への見えない壁の中で、美しく奔放なアマーリエと激しい恋に落ちる。彼女に裏切られ、何もかも捨てて故郷に帰ろうとしたときに出会ったのは「鍵盤の獅子王」と呼ばれるピアニスト、ヴィルヘルム・バックハウスだった。彼との邂逅で音楽への迷いを断ち切ったイザークは、ピアニストとして華々しくデビューをして数々の賞を受賞する。
その頃、イザークを追うようにウィーンに来たロベルタは娼婦として働いており、一通のメモを拾ったことからスパイ容疑をかけられ投獄されてしまう。容疑が晴れ、再会した二人は結婚するが、違った環境で育った二人が共に暮らすという現実は次第に二人をすれ違わせ、ぎくしゃくとした結婚生活を送るようになる。そして第一次世界大戦が勃発し、兵隊に召集されたイザークがウィーンに帰ってきたとき、ピアニストの命である指が動かなくなっていた・・・。

第一部のような派手さや緊張感はないけれど、人間として・芸術家として・女としてというように、一人一人の人間模様を深くえぐり出すように描かれていて、単なる少女漫画ではない文学的な完成度を持つ重厚な章となっています。とりわけクラシック音楽の好きな人にはたまらない章になっているかと思いますが、音楽的要素以外にも読み手を引き付けて離さないのが、登場人物たちの様々な形の「愛」。
広い心で相手を思いやろうと努力はするけれど、なかなか相手の心を満たせず思うように愛し合うことが出来ないイザーク。彼を見ていると、愛していればいいってものじゃないのだなと思わされます。相手とのバランスと言うものが大切なのですね。優しいだけでもだめ、自分の趣味を押し付けてもだめ。アマーリエはほどなくして彼に飽き、徐々に離れていってしまいます。
イザークへのアマーリエの愛は一時的な衝動のようなものでした。彼女には別に婚約者がいて、結婚相手にふさわしい地位のある男性以外は将来は一切考えない、楽しいだけの恋愛。イザークのような恋愛初心者には、この手の恋愛は辛かったですよね。
そして、娼婦にまで身を落としてもイザークを愛し続けるロベルタ。愛には様々な形があることを一番物語るのが彼女の行動です。体でお金を稼ぎながら匿名でイザークに花束を贈り続け、イザークにスパイ容疑がかかるのを恐れて自ら虚偽の自白をする。そしてイザークの指の治療に必要な費用を得るために、彼女に以前から言い寄っていた男に体を売る・・・彼女は他の人とは、体の価値と心の崇高さの比率が全く違うのですね。彼女のイザークへの愛はとても純粋で美しいものだと思えるのですが、少女時代から親の借金のカタに売られて育った彼女ですから、愛ゆえの行動でも許せる心の広い人はなかなかいないでしょう。イザークも理解しようとは思っていてもついには許せず彼女を追い出してしまいます。
イザークのロマンスと対をなすのが、第一部ではいじめっ子だったモーリッツ。彼は事業家として成功し、イザークの良き親友となっていました。仕事でウィーンに立ち寄ったときに出会ったのは、イザークの教え子であるマルヴィーダ。彼女はモーリッツの初恋であるイザークの亡くなった妹フリデリーケに瓜二つで、ほどなくして二人は恋に陥ります。モーリッツは妻帯者なので不倫の恋なのですが、彼にとって結局マルヴィーダは叶わなかった初恋以外の何物でもありませんでした。モーリッツの妻はフリデリーケが亡くなったときに傷心の彼を支えたベッティーナなのですが、彼女はモーリッツとマルヴィーダの不倫を察し、モーリッツに夫婦の絆と歴史の重みを訴えます。びっくりするほどあっさりモーリッツは妻の元に帰ってしまいますが、これはベッティーナの勝ちでしょう。彼女は現実を見据えて的確な対処のできる賢い女性です。マルヴィーダはまだまだ夢見る少女で、その少女と一時は結婚まで考えたモーリッツも今ひとつお子ちゃま。(そんな男性って多いですよね(笑))その旦那様を上手くコントロールして、事業家として成長する支えになるのがベッティーナという女性で、登場する場面はとても少ないですが良妻賢母っぷりを存分にアピールしてくれます。その点、この夫婦はバランスがほどよく取れていて前に進める理想的な夫婦と言えるでしょう。相手を深く思いやることのできるイザークこそ幸せになって欲しいとは思うものの、やはり現実的には、相手の尻を引っぱたけるような関係も必要なのだと思います。

そして一つ特筆すべきところは、実在するピアニストであるヴィルヘルム・バックハウス(ドイツ人。1884生-1969没)が登場すること。彼は「鍵盤の獅子王」と呼ばれ、圧倒的なテクニックとスケールで今も尚語り継がれる巨匠です。彼の演奏するベートーヴェンは、イザークがレーゲンスブルク時代にヴィルクリヒ先生に教えられた「無心に虚飾を捨て去った、生(き)のままのむき出しのベートーヴェン」。生活費を得るために酒場でピアノを弾き続けたたイザークはそのタッチの変化に悩まされるのですが、そうなる前に追求した「神の音」をバックハウスに見出したのです。
バックハウスの名演はCDで発売されていますので、是非聞いてみてください。おすすめはイッセルシュタット指揮/ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番・第5番「皇帝」です。BGMとして聴きながら「オルフェウスの窓」の世界に浸ってください(^-^)

他、ウィルヘルム・バックハウス関連CD



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オルフェウスの窓(vol.3(決意の旅立ち編)) オルフェウスの窓(vol.4(運命の再会と別れ編)
文庫版:オルフェウスの窓(全9巻)
携帯の方はこちら:オルフェウスの窓(vol.1)
外伝もあります(^-^):オルフェウスの窓外伝
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オルフェウスの窓大事典
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※悲劇の恋人達の象徴となる劇中劇:ニーベルンゲンの歌(前・後編)

『ニーベルンゲンの歌』を読む
『ニーベルンゲンの歌』を読む

他、池田理代子先生 関連作品

いつか「オルフェウスの窓」ゆかりの地に旅をしたいです。
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関連記事:池田理代子さんを読み倒す。(18)『オルフェウスの窓』第1部(レーゲンスブルク編)

池田理代子さんを読み倒す。(18)『オルフェウスの窓』第1部(レーゲンスブルク編)

2006-04-11 (Tue) 00:07[ 編集 ]
あまりに大作すぎてどう切り出そうか迷っているうちに3ヶ月以上経ってしまいました(^-^;) 忘れてませんよ、はい。大好きで語りたい理代子先生の作品がまだまだありますから(^-^)
今回紹介するのは第9回日本漫画家協会賞優秀賞を受賞した『オルフェウスの窓』。数ある理代子先生の作品の中でも私が一番好きな作品です。世間的には『ベルサイユのばら』の方が圧倒的に知名度が高いですが、「オルフェウスの窓が一番!」というファンの方も多いと思います。この作品はドイツ・オーストリア・ロシアを舞台にした圧倒的なスケールで描かれる美しくも悲しい物語。様々な形の恋愛・名門の一族を襲うミステリー・芸術としての音楽の追求・ロシアに於ける革命と闘争などがアラベスクのように複雑に絡み合い、漫画を超えて一つの文化的芸術作品として仕上がっています。7年をかけて連載されたこの作品は池田理代子先生が人間として内面的に成長する様も感じられ、単なる少女マンガではなく大人も楽しめる深みのあるこの作品、あまりに長いので第1部~4部に分けて紹介しますね(^-^;)

時代は20世紀の初め。物語の核を成すのは、ドイツのレーゲンスブルクにある男子ばかりの音楽学校の塔にある「オルフェウスの窓」。この窓を通して出会った男女は必ず恋におち、オルフェウスとエウリディケの伝説にならって悲恋に終わるという言い伝えがありました。数々の喜びや悲しみの物語は、この窓で二人の転入生が出会うところから始まります。

第1部:レーゲンスブルク編・音楽学校に於ける青春物語、名門アーレンスマイヤ家を巡るミステリー。
第2部:ウィーン編・芸術家としてのイザークの成長と苦悩
第3部:ロシア編・ロシア革命の闘士として生きるアレクセイと、彼を追ってきたユリウス。
第4部:完結編・悲劇の終末
コラージュ:第2部に登場したヴォルフィのその後
外伝:第2部で誘拐されたキースのその後

第1部は週刊マーガレットに1975年第4・5号から1976年第32号まで連載されました。「ベルサイユのばら」後半からの一連の華麗なる描画・個性的で魅力ある美しいキャラクター達・謎が謎を呼び全く予想のつかないミステリー・様々な形の愛の溢れる温かな繊細さ。どれをとっても池田理代子先生の持つ力を最大限に発しており、何度読んでも心を打たれる歴史に残る大傑作となっています。

**第1部「レーゲンスブルク編」あらすじ**
20世紀初め、レーゲンスブルク。男子のみが通う音楽学校にイザークとユリウスという二人の転入生がやってきた。苦学生のイザークは天才的なピアニストとしての才能を持つが故に良家の学生たちから嫉妬される。ユリウスは名門アーレンスマイヤ家当主の愛人であった母親の復讐心により、財産を相続するために男として世間を欺いて育てられてきた。イザークが伝説の「オルフェウスの窓」に立って出会ったのが男として転入してきたユリウスだったが、ユリウスはその後同じ窓で、天才的なヴァイオリンの腕を持つ上級生・クラウスとも出会う。クラウスは実は亡命中のロシア人で、祖国での革命活動に身を捧げるためにユリウスと心を交わしながらも、後に彼女を振り切ってロシアに帰ってしまう。
そしてユリウスの周辺では次々と殺人や殺人未遂が起き、「呪われたアーレンスマイヤ家」の秘密を探るべくユリウスは動き出すが、幾重にも折り重なる人々の復讐心や欲望をめぐる殺人劇はやがてユリウスを更なる奈落へと突き落とす。愛する人たちを次々と失ったユリウスは愛するクラウスを追ってロシアへ、イザークはピアニストとして勉強するためにウィーンへと発つ。

上記以外にも沢山の切ないエピソードが重なって深く複雑なストーリーが展開されていきます。この作品で特筆すべき事は、今まで理代子先生が描いてきた「少女達の世界・少女同士の愛」とは対照的に、男子校を舞台に「少年達の世界・少年愛」の要素を前面に押し出した初めての作品であることです。それまでは魅力的な女性達を描くことを得意とした理代子先生でしたが、沢山の男性のキャラクター達がこれだけ個性的・魅力的に描かれた作品は他に類を見ないですね。不良ぽいかっこ良さで激しい愛国心を持つクラウス、天才で優しく真面目なイザーク。大人で包容力のあるダーヴィト、お金持ちでわがままなモーリッツ、15年も前に姿を消した恋人を思ってレーゲンスブルクに留まるヴィルクリヒ、アーレンスマイヤ家の財産を狙うアネロッテに身を捧げて尽くすヤーコプ。みんなとても素敵でドキドキします(ヤーコプにはドキドキはないですけど(笑)女性の愛し方の一途さには激しく感動します)。恋人にするならあの人、結婚するならこの人なんて友達と話して楽しんだ覚えがあります(^-^)
男性陣の魅力もさることながら、女性陣も素晴らしい魅力の持ち主ばかり。一見強気な美少年風なのに心は脆い男装の麗人ユリウス、オルフェウスの窓で出会った男性を想いながらもユリウスの母として強く生きようとするレナーテ。一つの愛を貫いて独身を通す長女マリア・バルバラ、美や財産に執着するアネロッテ。女と知らずにユリウスを慕う召使の少女ゲルトルート、イザークに無償の愛で尽くす妹フリデリーケ、貧しく荒んだ生活の中でイザークを思いを寄せるロベルタ、同じくイザークに恋する貴族の少女カタリーナ・・・こんなに沢山いる主要キャラクターのなかで私がとくに好きなのはフリデリーケ。実はイザークとは血のつながりがないのですが、イザークを愛する気持ちを心の中に押し込めながら彼が音楽家として成功する日を夢見て身を粉にして働くいじらしさに涙涙。彼女がイザークへの愛を語るシーンはどんなに小さなシーンでも号泣してしまいます。「オルフェウスの窓」を最初に読んだのは中学生の頃だったのですが、大人になって読むとその愛の深さがより理解できるようになっていました。人には様々な愛の形や様々な生き方があるということも知ったし、どのキャラクターも愛おしく思えます。
そしてこれだけ複雑な沢山のテーマを混乱することなく描ききる理代子先生の技量に感服!伏線に次ぐ伏線、一コマの無駄の無い完全なる芸術作品です。詩的表現満載の言葉達、数々の名シーン。特にユリウスとクラウスが初めて愛を確かめ合う、枯葉舞う夕日の中での逢瀬はその後の数々の悲劇から思い返しても涙なくしては読めません。これを読まずして少女漫画は語れないほどの大傑作です。特に「ベルサイユのばら」を読んでこれを読んでないという方には是非読んで頂きたいです(^o^)
ちなみに、第2部はイザークが主人公。短いながらも深く考えさせられる章です。



今入手しやすいのは↓の「ガールズリミックス版(全8巻)」です(^-^)
オルフェウスの窓(vol.1(伝説の始まり編))  オルフェウスの窓(vol.5(激動の嵐の中で…編)  オルフェウスの窓(vol.8(さようならユリウス)
携帯用:オルフェウスの窓
文庫版:オルフェウスの窓(全9巻)
外伝もあります(^-^):オルフェウスの窓外伝
携帯版:オルフェウスの窓外伝
ダウンロードでも読めます:
オルフェウスの窓 (1)(全18巻)
ファン必携♪オルフェウスの窓大事典
携帯用:オルフェウスの窓大事典

※悲劇の恋人達の象徴となる劇中劇:ニーベルンゲンの歌(前・後編)
携帯版: ニーベルンゲンの歌
「イザークと同じベートーヴェンを弾く」という名ピアニスト・バックハウス。
イッセルシュタット指揮の名盤でどうぞ(^-^):
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番・第5番「皇帝」
携帯版:ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番・第5番「皇帝」

※宝物です(^-^) 複製原画集。

イメージアルバム。

参加:りりぃ小原乃梨子(ナレーション)・吉田理保子(ユリウスの声)

池田理代子さんを読み倒す。(17)『おにいさまへ・・・』

2005-12-18 (Sun) 02:40[ 編集 ]
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NHKでアニメ化された理代子先生の中篇の最高傑作です。女子高を舞台に繰り広げられる美しくも悲しい愛憎劇で、この作品が描かれるまでにも語られてきた『少女同士の愛』『男装の麗人』『正妻の子と妾の子』といったキーワードがより華麗に激しさをもって絡み合い、独特の耽美的な世界を作り上げています。週刊マーガレットで1974年(昭和49年)12号~39号に連載されました。

**あらすじ**
奈々子が入学した女子高・青蘭学園には「ソロリティ」と呼ばれるエリート組織が存在した。毎年1年生から容姿・家柄・教養などで熾烈な争いで選ばれた10名だけが参加できるこの会に、至って平凡な奈々子がメンバーとして選ばれた。裏で取引があってのではないかと疑われ、少女達の世界の残酷さを知る奈々子。そんな奈々子が愛した上級生はハスキーボイスの持ち主・朝霞れい。どこか儚げで妖しい魅力を持つれいは下級生の憧れの的だが、彼女の心は生徒会長でソロリティの女王的存在の一の宮蕗子に囚われていた。そんなれいとは対照的に、れいの親友・折原薫はスポーツが得意で生命力に満ちていた。下級生の憧れをれいと共に一身に受けている薫だが、実は彼女の体には病魔が巣食っていて・・・。

この作品の魅力は何といっても個性的なキャラクターですね。絵柄も理代子ワールド全開で麗しくキラキラと光り輝いています。まずは主人公の「御園生奈々子」。至って平凡な容姿という設定ですが、めちゃくちゃ可愛いです(アニメ版ではちゃんと平凡に見えます(笑))。素直で優しく、自分の信じることにはちゃんと意見も言える実直さが災いして、同級生や上級生にあらぬ疑いをかけられて彼女の心は悲しみで満ちそうになりますが、そんな心の隙間に滑り込んできたのが「サン・ジュスト」(フランス革命時に「死の大天使」と呼ばれた青年)と異名を取る美しい「朝霞れい」。彼女を崇拝する下級生に囲まれていてもどこか寂しげで冷たい瞳に奈々子は魅かれます。そして奈々子の親友になる「信夫マリ子」。クレオパトラの様な華やかな美しさを持つマリ子はソロリティへの加入に強い執念を持ち、同じようにソロリティに入りたがる少女達と激しく火花を散らします。一見ワガママなマリ子の持つ気性の激しさや感情を隠せない正直さもとても魅力的。マリ子が心を寄せる「折原薫」はれいの親友で、背が高くて運動神経が良く面倒見もいいしっかり者。「薫の君」(「源氏物語」に登場する光源氏の子、薫の君)と呼ばれる人気者ですが、体を壊して入院し一年遅れて奈々子と同じクラスになります。薫はソロリティの候補に選ばれたものの、「ソロリティの存在自体に反対だから」と辞退します。そのソロリティの女王「一の宮蕗子」は気高く華やかでやはり女生徒達の憧れの存在。しかし実は蕗子とれいは腹違いの姉妹で、蕗子は妾の子であり彼女の気高さを愛するれいを翻弄し苦しめます。憧れていた学園での理想と現実の違いに苦しみながらも少しずつ大人になっていく奈々子は、その心情を「おにいさま」と慕う辺見武彦への手紙にしたためます。
こんな感じで全編に渡って「秘密の園」的女子高で少女達の愛憎が描かれるわけですが、憎み合う少女達の諍いが時に卑劣であっても、少女同士で「お姉さま」や「愛してる」の言葉が飛び交っても爽やかで清涼な印象なのはやはり理代子さんの技量ですね。ちょっとドキっとするような、蕗子が奈々子に迫るシーンや奈々子にれいがキスをするシーンもあったりするわけですがとても美しいです(何度も言いますが、私は異性愛者です^-^;)。
そして物語の一番の核となるテーマは、れいと薫の君の対照的な生き方に表されています。れいは蕗子との心中に失敗してから死ぬことだけを考え生きる気力が全くありませんが、余命僅かな薫は残された生を精一杯力強く生きています。儚げでせつないれいも魅力的ですが、残された日々を力強く生きる薫の光り輝くような人生は本当に美しいです。アニメ版ではれいは自殺ではなく事故死の設定になってしまい、この素晴らしいテーマが描かれていなかったので私としてはとっても不満(笑)しかしNHKはよくアニメ化しましたね(^-^;) 高校生が煙草を吸いまくりだし少女同士の危ないシーンもヒートアップしてるし、陰惨ないじめ、蕗子やマリ子の狂気じみた愛情、薫のなぜか野外で脱衣などの原作を越えた激しく濃いエピソードが満載。地上波での放送がないのは当然と言えば当然ですね(笑)
とりあえず間違いなく『ベルサイユのばら』『オルフェウスの窓』と並ぶ理代子先生の傑作作品ですので是非読んでみて下さい(^-^)



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