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池田理代子さんを読み倒す。(1)『愛は永遠に』

2005-10-27 (Thu) 11:15[ 編集 ]
シェアブログnatsukashiに投稿

まず初回は、現在一般的に読める最も古い理代子先生の作品『愛は永遠に』。1968年(昭和43年)発表、49頁。
(最初にお断りしておきますが、まだ私が生まれてない時期の作品なので時代の解釈に間違いがありましたらすみません^^;)昭和43年当時の漫画界は、男性作家では手塚治虫・女性作家では水野英子らが人気。「巨人の星」「アタック№1」に代表されるスポ根漫画や、華麗なドレスをまとい大きな瞳に星を湛えたお姫様が主人公の漫画が主流で、理代子先生の今作品も後者の流れを踏襲した王道の少女漫画と言えます。

あらすじです。18世紀頃のオーストリアが舞台でしょうか(服装の雰囲気で判断しました)。
貴族の息子アルフレッドと下働きの娘エリナは秘かに愛し合う恋人同士。父親に反対された二人は駆け落ちの約束をしますが、行き違いからアルフレッドに裏切られたと思い込んだエリナは冷たい河に身を投じてしまいます。傷心のアルフレッドは旅先のチロルでエリナに似た少女クリスチーネに出会って真実を知り、深い雪の中で永遠の愛を誓うのでした。

ストーリー展開の速さや唐突さは、当時のスタイル・・・と言うよりは、当時の漫画が一つの文化としての地位を確立していない事による、漫画界全体のクォリティの甘さによる部分が大きいかと思います。娯楽が今より少なかった昭和の時代、幼い少女でも気軽に読める漫画雑誌に載せるとなると、自然と物語はこういったエピソードを追う形になってしまうのかなと。しかしここにはちゃんと池田作品の原点が確認できます。
ポイントはアルフレッドを取り巻く3人の少女、エリナ・クリスチーネ・そして貴族の娘テレーゼ。この3人は実は異母姉妹で、テレーゼは正妻の子、エリナとクリスチーネは父親が貴族の女性と結婚する際に身ごもったまま捨てられた元恋人の貧しい女性の娘です。以降、理代子さんの作品に多く登場するのが「正妻の子」と「妾の子」、そして「身分違いの恋」。社会や大人のエゴイズムに翻弄される人間達が運命と戦う姿を、理代子作品の読者は様々な場面で目にすることになります。そして「運命を乗り越える」ことや、フェミニズムにも通じる「女性の自立」は、この先30年以上に渡る池田作品の中枢になるテーマとなっていきます
絵柄は王道のお姫様系ですが、安定したデッサン力と線の美しさは当時の漫画家としては卓越しており、後々華麗なるロココの女王マリー・アントワネットを描くことになる漫画家としての技量も伺われます。絵的にも思想的にも理代子さんの漫画家としての基点となる重要な作品ですので、ファン必見の一作と言えるでしょう。

参考:1968年の出来事(ウィキペディアより)
第二次佐藤栄作内閣発足
三億円事件
川端康成ノーベル文学賞受賞
週刊少年ジャンプ創刊
映画「猿の惑星」公開



愛は永遠に

画像左から2・3番目は今作品の収録単行本で共に絶版。表紙だけスクラップ保存してます。
私が今持っているのは一番左の画像の「池田理代子全短篇集Ⅱ愛蔵版/白いエグモント」。現在入手困難です。

※こちらの収録本は現在入手困難ですが、
古本ならAmazonで安価にて入手できることがあります。
検索結果です(^-^)→白いエグモント(池田理代子全短篇)



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