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池田理代子さんを読み倒す。(2)『この空の下に』

2005-10-28 (Fri) 16:15[ 編集 ]
何かの本で読んだ記憶があるのですが、この作品は理代子先生がデビュー前に書いたもので、掲載したら「主人公が可哀相すぎる」との感想がやたら多かったとか。デビュー前という事は1967~8年(昭和42~3年)頃の作品でしょうか。43頁の短篇です。

**あらすじ**
お嬢様育ちの高校生・令子は恋人の達治と婚約し薔薇色の日々を送っていた。が、達治は事故で画家志望の亜紀子の目に怪我をさせてしまい、見舞いに行くうちに彼女の心の美しさに打たれてしまう。失明を宣告された亜紀子の面倒を一生みる為に令子との婚約を破棄して亜紀子と結婚をする決意をする達治。令子と達治は身を引き裂かれる思いで別々の道を歩むことを選ぶ。

これは切ないです。誰が悪いわけでもなく、ただただ運命の中で自らの取るべき道を模索する登場人物たち。理代子先生の作品の多くには「悪人」が存在しません。心が歪んでいる人も道を誤る人も、原因があり過程があり、必ず「本当はみんな良い人」という人間性善説に回帰しています。しかし、いかに良心だけで生きていても必ずしも思うような幸せをつかめるわけではない。そんな現実が描かれていて、「勧善懲悪」に慣れていた昭和時代の年少の読者はさぞや戸惑ったことと思います。
個人的に一つ気になるのは、今作品や「章子のエチュード」「おにいさまへ・・・」など理代子作品には高校生で婚約や結婚をする話が結構あるのですが、当時は高校生で結婚する率って今より高かったのでしょうか・・・当時の高校生の恋愛事情や結婚観など、機会があったら知りたいなと思います。

この空の下に

myスクラップより。今作品が収録されていた単行本です(画像左から2・3番目は絶版)
私が所有しているのは一番左の「池田理代子全短篇集Ⅰ愛蔵版/ウェディング・ドレス」。これも入手困難です。

※収録本「ウェディング・ドレス/池田理代子全短篇」はAmazonで古本が入手できることがあります(^-^)
検索結果→ウェディング・ドレス(池田理代子全短篇)

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