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映画『CASSHERN』2004/日

2006-02-13 (Mon) 19:53[ 編集 ]

昨日TVで放映したのを見たのですが、過去に2回DVDで見ています。3回見るということは結局好きだということでしょうか(笑)この作品は見る人によってその評価が真っ二つに分かれることでしょう。しかも好きな人はすごく好き・嫌い人は大嫌い、と。私はそのどちらでもないのですが、この映画の持つコンセプトや理念と言う物が結構好きだったりします。
この映画の印象は「紀里谷和明監督の紀里谷和明監督による紀里谷和明監督の為の映画」。なのでこの映画を是と判断するのは、キリヤに共鳴できるかどうかにかかってくると思います。映画の作り方としてこういうのはどうかと思う部分もありますが、私はやっぱりこの映画の持つ強い反戦メッセージや、人を愛するとはどういうことかと言う問いかけの「押し付けがましさ」が気に入ってます。いえ、嫌味ではないですよ(笑)このキリヤという人は宇多田ヒカルのPVを手掛けている映像作家で、独特の映像美を余すことなく生かした幻想的な世界観を表現し切っています。しかしいかに映像が美しいとはいえ、この手のCGを長い時間見ているとやっぱり疲れます(^-^;) 明るい温室や草原の風景以外は暗く陰鬱で、「こんな未来だったら生きていたくない」とまで思わされます。そんな幻想空間で寺尾聰や樋口可南子・唐沢寿明といった名優たちがCGと融合する素晴らしい演技をみせてくれますが、なかでも宮迫博之の存在感は素晴らしかったですね。挙動不振さの中にも心の美しさがよく表れていて、おそらく彼の純粋さを表したであろう鳥のCGと相まって殺伐とした世界の中での安心感をもたらしてくれます。
肝心のキャシャーンですが(笑)DVDで見る前にヤフーの動画配信で元のアニメを2話ほど見たのですが、戦闘シーンがそっくりですね。しかしこの流れであのヒロイックな戦闘シーンが必要なのか?と。サグレーやバラシンとの戦闘シーンは、細かいカット割で見せるのではなく肉弾戦でみせて欲しかったなぁ。早すぎてカッコイイと思う余裕もないです。アニメのシーンを再現したいのだったらもっと最初から最後までヒロイックに「かっこいい正義の味方」として作った方が良かったんでないの?なんかキャシャーンとは全く別物になってしまったと思うのですが、その最たるエピソードは恐ろしいラストシーン。妻の亡骸を再生させるべく抱きかかえて行こうとした父親を、エディプス王さながら殺してしまうのです。このように絶望的で非人間的な行為をキャシャーンがするとは到底思えないのですよね。これが「紀里谷和明監督の紀里谷和明監督による紀里谷和明監督の為の映画」になってしまう所以であるかと思います。決して悪い映画ではないのですが、そのラストの救いようの無さは後味が悪すぎ。(そう言えばDVDで見たときに「二人の子供の名前は『希望』」というモノローグがあったのですが、「このラストのどこに希望があるんだよ」と泣きながら思った覚えが。)そしてエンドロールに流れる宇多田ヒカルの「誰かの願いが叶うころ」・・・うう、こんな曲持ってくるのズルいぞ。嫌でも涙が出てしまうではないですか(笑)難解で首をひねりながら見たのに、幸せだった頃の登場人物の映像と共に3回目もやはり泣かされてしまった映画でありました。見た後の気分は良くないものの強いメッセージ性に切なくなり、それだけでこの映画を肯定する私がいます。賛否両論だとは思いますが、一つの芸術作品として無視できない作品だと感じています。

『CASSHERN』公式ページ

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松竹

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