スポンサーサイト

-------- (--) --:--[ 編集 ]
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

池田理代子さんを読み倒す。(20)『ズライカ』

2006-05-19 (Fri) 13:00[ 編集 ]
女性の純粋で一途な想いが、一人の男性を翻弄し、果ては一生を支配していく・・・そんな恐ろしさを静かに幻想的に、田園小説さながらのゆったりとした時間の中に描いてゆく美しい短篇です。掲載は1977年(昭和52年)のプチコミック創刊号。50頁の作品です。

**あらすじ**

コンラートが思いを寄せた幼馴染のズライカはやはり幼馴染のカールと愛し合っていたが、カールは戦争で帰らぬ人となってしまう。カールが最後にコンラートに残した言葉は「ズライカを頼む」。ズライカとカールは「どちらかが先に亡くなったら、その時は幽霊になって相手を訪ねる」と約束をしており、毎日お墓を訪ねるズライカをコンラートは「どうかしてしまうのではないか」と心配する。カールの遺志を全うするためコンラートはズライカに結婚を申し込むが、カールを待ち続ける彼女の強い意志に耐えかね、ついに夜中に彼女の部屋に忍び込んでしまう。だが暗闇でズライカはカールが会いにきたと思い込んでしまい、コンラートとの間に出来た子供をカールとの子供だと信じてしまう。しかし愛は奇跡を呼んで・・・。

コンラートは家柄も財産も申し分なく、行動的でその上ハンサム。読者からみたら「とっととコンラートと結婚すれば幸せなのに」と、カールの幽霊にしがみついているズライカにちょっと苛々(笑)そんなズライカの一途で純粋な想いがコンラートの心や行動を翻弄し疲れさせるのですが、彼女から逃れて他の女性のもとに行こうとしてもズライカに思いとどませられる。しかしズライカとは結ばれるわけではない。コンラートは彼女のために一生を尽くしてしまうことになります。結婚もせず、自分の子供とも親子の関係ではいられず・・・愛らしく純粋なのに魔性を秘めたズライカを見ていると、女の執念はかくも恐ろしいものかと思わせられますね。
この年は、先日記事にした「オルフェウスの窓」のウィーン編が連載されており、「ズライカ」も同様、理代子先生の人間(特に女性)の本質を追求する描き方がよりいっそう深まっていることが顕著に分かる頃合です。理代子先生のディープなファンには、この頃の作品はとても重要な作品となっているのではないでしょうか。

ちなみにズライカの本名は「マリアンネ」。コンラートとカールは、詩人ゲーテが恋人マリアンネを「ズライカ」と呼んだことにちなんで同じように呼びました。「ズライカ」とはイスラム文学の中でもっとも美しく才智ある女性の意だそうで、ゲーテの「西東詩集」に彼女との相聞歌を含む「ズライカの書」があることでも知られています。

ゲーテ全集〈2〉詩集―西東詩集



参考:1977年の出来事(ウィキペディアより)
アメリカ合衆国でカーター大統領就任
国民栄誉賞が創立される。初受賞は王貞治。
ピンクレディー「渚のシンドバッド」が大ヒット
映画「スターウォーズ」公開



○現在収録されている短編集です。
※楽天は送料無料キャンペーン中です(^-^)
池田理代子短篇集(2) 携帯用:池田理代子短篇集(2)

※Amazonは1500円以上で送料無料。3冊セットで買いがオススメです(^-^)
池田理代子短篇集 (1) 池田理代子短篇集 (2) 池田理代子短篇集 (3)

※こちらの収録本は現在入手困難ですが、
古本ならAmazonで安価にて入手できることがあります。
検索結果です(^-^)→白いエグモント(池田理代子全短篇)

スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://reigh23.blog24.fc2.com/tb.php/276-65e52be7

 | HOME | 

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。