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池田理代子さんを読み倒す。(31)『蒼い柘榴』

2006-09-28 (Thu) 22:14[ 編集 ]
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エピタラム - 祝婚歌 -」と並んでレディースコミック期の理代子先生の最高傑作です。前者は少女から大人への変遷を描いたもので、こちらは人生の辛酸を嘗め尽くしてきた大人の女性の更なる変遷。人生を懸命に生きてきた方なら、このお話を読むと胸や心の奥底がひしひしと痛むことに気が付くでしょう。物語というよりは、現実がそのまま描かれているよう。このようなストーリーを描ける先生に感服します。女性漫画誌YOUに1982年(昭和57年)~1984年に、6章に渡って連載されました。

**あらすじ**
柘榴ばかりを偏執的に描く35歳の女流画家・波木邦子。父親の不倫による母親の焼身自殺という過去を持ちながらも、自らも不倫の恋に身をやつし、その人生を柘榴に塗りこめてきた。愛に絶望しかけていたその頃、邦子は8歳年下の若い編集員に真っ直ぐに愛を突きつけられる。そして不倫相手の妻の死を経て、二人の男性からプロポーズされる邦子。甘い夢を見始め、もう一度人生を生き直そうとする邦子たが、思わぬ裏切りにまたその心を傷つけてしまい・・・

邦子の描く柘榴は、実家の大きな木の柘榴。樹に残る母の死痕、そして思春期の残酷な経験が、邦子の身体に深く刻み込まれ、キャンバスに柘榴ばかりを描かせています。心臓が弱い故に自分の死を身近に感じ、一度ならず妻子のいる相手と恋をしてその心を削ってきた邦子。そして愛に絶望しかけていた頃に、彼女は率直に愛をぶつけてくる青年・真下に出会います。女性に対して愛を感じたことのない彼の熱病のような恋は徐々に邦子の心を溶かし、もう一度夢を見てみたいと思わせるまでに邦子を熱くかきたてますが、彼の若さがまた彼女をひどく傷つけることに・・・。
「もう、柘榴なんか描かない」そう言ってキャンバスを切り裂く邦子。悲しいことに、お話は彼女の絶望で終わることになってしまいます。
これほどまでに現実的で、残酷な大人の人生と愛、そして死。死してなお邦子を苦しめる母の幻影は、愛に傷つく全ての女性の心に住み着いている女の恐ろしい情念の象徴です。誰かを傷つけたり、永久に苦しめたりしたいほど破滅的な愛し方を貴女はした事がありますか?そんな愛がこの中篇に恐ろしいほどの密度で描かれていますので、経験済みの人もそうでない人も、是非読んでみてください。きっと読んだ後に心の痛みを禁じえないと思います。人間的に豊かな人ほどその度合いが大きいことと思いますのでご注意を(^-^;)
全ての大人の女性に読んで欲しい、そんな大傑作のレディースコミックです。



楽天ダウンロードで読めます(^-^)
蒼い柘榴 (1)  蒼い柘榴 (2)

蒼い柘榴 (1) 蒼い柘榴 (2)

本は入手が困難ですが、古本でなら入手可能です。

蒼い柘榴(1) 蒼い柘榴(2)
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