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池田理代子さんを読み倒す。(32)『女帝エカテリーナ』

2006-10-05 (Thu) 00:01[ 編集 ]
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レディースコミック期に入ってからの理代子先生の描く歴史物は、「劇画」と称するに相応しい、史実を深く考察しながら歴史のうねりや人間の本質を描き出す作品となっています。少女漫画では描けない、歴史自体の持つ壮大な息吹をも感じさせる今作品は、そんな歴史劇画の中でも最高傑作。ファンならずとも必読です(^-^)
原作はアンリ・トロワイヤ。婦人公論に1983年(昭和58年)~1984年まで連載されました。

**あらすじ**
18世紀、帝政ロシア時代。ドイツの田舎貴族の娘として生まれたゾフイーは、ロシア皇太子(後のピョートル三世)に嫁ぐ事になる。ゾフィーはエカテリーナと改名し、ロシア人として、治世を志す者として知識と教養を身につける事に全力を尽くす。しかし、皇帝候補としての資質に欠けるピョートルとは次第に夫婦として心が離れていってしまった。最初の愛人に翻弄されて女としての心を傷つけられたエカテリーナは、男性を今後自分の世界の中心に置かないことを決心し、玉座に向かって秘かに歩き出す。苦難の末にクーデターを成功させ女帝として即位したエカテリーナは、類稀なる治世の才能を発揮して広大なロシアを治めてゆく。しかし老いは肉体や精神を退化させ・・・

ロマノフ王朝の第8代皇帝エカテリーナ二世を、一人の女性としての視点から描いた壮大な劇画です。数々の愛人を持ち、芸術や文学を愛し、治世の術を学ぶ事に尽力したエカテリーナ。この視点から見て初めて、彼女の偉大さが真に分かるというものです。当時のヨーロッパは、フランスにルイ15世、オーストリアにマリア・テレジア、プロイセンにフリードリヒ二世、イギリスにジョージ三世が君臨している時代。それまでの勉学と恋愛で、自分を、そして国を統制する術を学んだエカテリーナは、その才能を見事に開花させ、その存在に帝国ロシアを具現化しました。
しかし、老いは残酷なもの。啓蒙思想を愛したエカテリーナですが、老年フランス革命が勃発すると、帝政国家の変革を恐れてその書を捨て去ってしまいます。その頃からエカテリーナは変わり始めました。愚かな男を愛人にし「薔薇色の目隠しをしている」と揶揄され、ずっと彼女を支えてきた聡明な腹心をも失ってしまいます。
私がこの「女帝エカテリーナ」を読んだのはまだ中学生の頃だったのですが、実際のところ、何故彼女がこのように様のない変遷を遂げたのかが当時全く分かりませんでした。しかし大人になってから読んでみると、その思想的変遷も恋愛的変遷もとても興味深い人間物語として存在し、その移ろいやすい人の心が国を、そして歴史をも動かす力となる事がとてもスケールの大きいドラマチックな出来事として心に響いてきます。
エカテリーナ。その人物から学ぶことはとても多いです。彼女のようにじっくりと長い道のりを、弛まず倦まず着実に歩み、今から30年後・50年後の自分を想定して何かを学び行動してみたい、そう思わされる素晴らしい書です。


原画集持ってます♪


アンリ・トロワイヤの原作本です
 

文庫版です(全3巻)
   
 


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