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池田理代子さんを読み倒す。(6)『真理子』

2005-11-08 (Tue) 23:59[ 編集 ]
1971~72年(昭和46~47年)頃の理代子先生の作品に入ります。この頃から絵柄もストーリーも理代子先生の個性が強く出始めて、個々のキャラクターもとても魅力的な作品が多くなってきます。中篇も『ふたりぽっち』『桜京』『章子のエチュード』など力作揃いでレビュー書きにも力が入りそうです(^-^) 72年にはいよいよ大作『ベルサイユのばら』の連載が開始されるので、理代子先生の漫画家としての重要な節目になる時期と言えましょう。
まずは短篇から行きますね。今回取り上げる『真理子』は週刊マーガレット・1971年1月10・17日2・3号に掲載された58頁の読み切り。20数年経ってなお多くの人々に傷を残す戦争の爪あとを取り上げた秀作です。

**あらすじ**
真理子は生きる楽しさだけを知っていた普通の女子高生。彼女の家庭教師として雇われた大学生の大河は、なぜか学校の勉強より社会情勢や原爆のことを教えようとする。そんな大河に反発する真理子だったが、クラスメートの篠崎が原爆症でこの世を去ったことをきっかけに、戦争のもたらす悲劇・社会に生きる人間としての責任について考え始めた。そして大河と互いの恋心に気付いた矢先、彼は「出会わなければ良かった」との言葉を残して真理子の元から去ってしまう。そして冬が訪れた頃、大河からの手紙と共に真理子の元に悲しい知らせが届いた・・・。

短編ながら立派な反戦漫画であり、少女の成長物語でもあります。まだ高校生である真理子は「個」として生きているのが当然でしたが、突如原爆症に苦しむ人たちと関わり戦争がもたらす悲劇を知ります。そして少女の「公」としての意識が芽生え、自分は何をしたらいいか、「個」が「個」であるためにどう「公」と関わるかを考えることに目覚めます。理代子さんの作品には今後このように「公」の存在として強く歩んでいく女性が多く描かれていきますが、その女性たちの生き生きとした魅力が沢山の女性読者を引き付ける理由の一つでしょう。常々思うのは、理代子さんは「女性を描く天才」だという事。少女の揺れる心の動き、自立して大人になる過程などを実に繊細に丁寧に描いてゆきます。レディースコミック期(注:18禁ではなく、大人の女性向け漫画)ではさらに複雑に多様な女性の内面を鋭く描き出しますが、それは後でのお楽しみ。しばらくは少女たちの透明感溢れる成長物語のレビューが続きます(^-^)

参考(ウィキペディアより)
1945年(昭和20年)終戦
1967年(昭和43年)野坂昭如の小説「火垂るの墓」直木賞受賞
1968年(昭和44年)吉永小百合主演の映画「あゝひめゆりの塔」発表

○1971年(昭和46年)の出来事
沖縄返還協定の調印式
日清食品がカップヌードルを発売開始
特撮TV番組「仮面ライダー」第1作放映

真理子


※収録本「ウェディング・ドレス/池田理代子全短篇」は現在入手困難ですが、
Amazonで古本が入手できることがあります(^-^)
検索結果→ウェディング・ドレス(池田理代子全短篇)

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