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池田理代子さんを読み倒す。(11)『ふたりぽっち』

2005-11-15 (Tue) 00:09[ 編集 ]
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いよいよ中篇に入ります。傑作が多いのでわくわくします(^-^) まずは『ふたりぽっち』。理代子先生の中篇連載の幕開けにふさわしい、彼女らしさたっぷりの学園物です。まずタイトルが良いですね。物語を端的に表していて美しい響き。後の作品に多く出てくる理代子先生独特のモチーフ「ボーイッシュな少女」「少女同士の擬似恋愛」が初めて登場し、キャラクター・ストーリー共に魅力的な作品になっています。1971年(昭和46年)週刊マーガレット23号~27号で発表されました。(ちなみにこの年、山岸涼子さんが「白い部屋のふたり」、萩尾望都さんが「11月のギムナジウム」を発表しています。才能有る少女漫画家たちが個性を発揮し始めた記念すべき年なのかも知れません。)

**あらすじ**
愛聖女学院に通うかおると令子は犬猿の仲。何かにつけ対立しいがみ合っていた二人だが、ほどなくしてかおるの母と令子の父が再婚し、二人は姉妹となってしまう。反発し傷つけ合いながらも次第に理解し合うようになり、特に令子は姉妹の域を超えてかおるを愛するようになる。しかしかおるには出生の秘密があり、深く苦しむようになる。令子も心臓の病により自分の死期が近づいていることを知り、ふたりぽっちで遠い街に旅に出る・・・。

この作品から登場し、後々沢山の作品・・・『ゆれる早春』『ベルサイユのばら』『おにいさまへ・・・』などで語られる少女同士の愛ですが、理代子先生は作品の中で「同性愛」という言葉を一切使用していません。(『ベルばら』の首飾り事件の裁判のシーンで犯人のジャンヌがマリー・アントワネットとの同性愛を告白しているのは虚偽証言です。短篇『クローディーヌ・・・!』の中では唯一肉体を伴っての同性愛表現がありますが、主人公の女性クローディーヌは性同一性障害、いわゆる「FtM」で理代子先生は「トランスセクシュアル」の言葉のみを用いています)理代子先生が描く少女同士の愛は、かおるのセリフにあるように「女の子はある時期に本当の恋の準備として同性に恋することがある」そんな愛です。私も女子高時代に経験があるのですが、多感な時期に周囲に男性がいないと自然にかっこいい先輩を好きになっちゃったりするのですよね(笑)でもそういうのは本当に一時期のもので、遠くから眺めてキャーキャー言っていただけで終わり、卒業したらちゃんと男性を好きになりました。そんな儚い、少女時代の揺れる心を描くことを理代子先生は大得意にしています。
かおると令子、この二人のキャラクターはこれからの理代子先生の作品に多く登場するタイプです。ボーイッシュで下級生に慕われる凛々しい女性、そしてわがままで美しく誇り高い巻き毛のお嬢様。対照的なタイプの二人が数々のエピソードで魅力的に語られ、読み手を引き付けて離しません。
そしてストーリー。これまた理代子さん十八番の「大人の身勝手に翻弄される子供の運命」。不倫の関係で生まれたことに苦しむかおる、愛の無い家庭で育って寂しい思いをしてきた令子。ただちょっとラストは納得がいきません(-_-;) と言うのも結局かおるの苦しみは癒されることなく、実は強盗殺人犯の子供だったことを知って絶望し、自分の命を忌まわしいと呪ったまま令子と共に自ら命を絶ってしまうのですね。私が思うに、親がどんな親であろうと産まれて来た命は尊いものであり、罪の子であるはずなんて絶対にない。そしてあの活発で聡明なかおるが自分の出生を全否定して自ら死に向かうなんて事が果たしてあるのだろうかと。最後のナレーション「ほんとうにそれだけしか道はなかっただろうか・・・?」の言葉に象徴されているように、未消化のまま終わってしまった感が否めません。理代子さんがもう少し後にこの作品を描いていたら、最後に死を選ぶとしてもその前に必ず生命の尊さを描いていたと思います。そう言った意味でこの作品は、強く引き付けられる魅力的な作品ではあるけれど同時に今ひとつ残念、そんな印象です。(ちなみに次作の「桜京」では同じテーマの路線を歩みつつ、前向きで素晴らしいストーリー展開が繰り広げられます)この作品は『池田理代子中篇集Ⅱ/章子のエチュード』に収録されています(^-^)



ふたりぽっち


※収録本「章子のエチュード/池田理代子中篇集」は現在入手困難ですが、
Amazonで古本が入手できることがあります(^-^)
検索結果→章子のエチュード(池田理代子中篇集)

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コメント

「章子のエチュード」はここに登場するんですね!
章子の恋人となる人も「薫」ですよね~。理代子先生、薫って名前がお好きなんですねぇ^^

どもどもです(^^)

「おにいさまへ・・・」も薫ですね。
あと「奈々子」「ユリウス」も何人かいます(笑)

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