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池田理代子さんを読み倒す。(12)『桜京』

2005-11-22 (Tue) 00:01[ 編集 ]
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理代子先生の初期中篇の傑作です!男の子のように快活でとっても魅力的な少女「桜京」が主人公の、大きな大きな愛の物語。理代子先生の作品を語る上で欠かせない「ボーイッシュな少女」「学園愛憎劇」「不義の子と親の苦悩」を実に見事なほどに絡め合い、「本当の愛とは何か」を個性豊かな登場人物たちと探り当てて行きます。週刊マーガレット・1971年(昭和46年)9月26日39号~49号に連載されました。

**あらすじ**
風早勝子は高校1年生。両親を相次いで亡くし、東京に住む母の姉の家に住む事になった。初めて会う叔母・夏子は銀座に店を持つ有名デザイナーで、夏子の娘で同い年のいとこ「桜京」は名前に似合わず男の子の様な服装をした元気な少女。まるで姉妹のように仲の良い親子は、実は苦悩を乗り越えて大きな絆で結ばれていた。父と母が夏子を裏切る形で結婚したことを知った勝子は、少しずつ夏子と京の育んできた愛を知る事になる。

キャラクターの魅力から語りましょう。なんといっても「桜京」。名前に似合わず乱暴で気が強く男勝りな少女。そして正義感が強く、どんな状況でも自分の意志を伝えることを臆さない。制服以外はスカートをはかないその凛々しい姿は「ベルサイユのばら」のオスカルを彷彿とさせます。彼女の数々の名言を紹介しますね。
・勝子が新しい学校に初めて行くとき「案内してほしけりゃちゃんと人より先に仕度して待ってるもんだ!」
・三つ編みおさげの髪型を笑われた勝子が、亡くなったお母さんが毎朝編んでくれた髪型だから泣きながら言うと「だったらどんな事を言われたって絶対泣くな!それがプライドってもんだ!」
・心無い中傷に泣く勝子に「頭をあげて胸をはれ!やましい事は何もないってことを見せてやろうじゃないか!」
他「てめえら顔で恋愛するのかよ?!じぶんの顔を鏡で見てみろってんだ!」などなど。こういう直情的で正義感の強いキャラが個人的に大好きなのですよ。歌の才能と美しさから嫉妬されていじめられる勝子も、京の言葉で救われ徐々に強くなっていきます。
そんな京と勝子の出生の秘密・・・実は京も勝子も、夏子を裏切った男性の子供。京は夫の不義の子で、夫が亡くなった後に一時的な情から小さい頃に夏子が引き取ったものの、憎さからついに京の首を絞めてしまいます。しかし京が息を吹き返したとき、夏子は「血を越え憎しみを越えたそんな愛もあるはずだ、自分が人を愛することによって愛を知ろう」と京を自分の子として育てることを決意します。そして夏子は、自分を裏切って自分の妹と結婚した元婚約者の子・勝子を引き取ることでもその大きな愛を示します。もちろんそれは並大抵のことではなく、そんな素晴らしい至上の愛を持って育ててくれた夏子を京は心から尊敬し、強く明るい少女に育ちました。産みの親に偶然会った京は勝子に言います。「産んだだけでは母親とは言えない」。そして、眼鏡をかけていることがコンプレックスの優等生・侑子には「若い女性はみんなそのままで美しい。そのあとこの美しさを本物にするかどうかは本人の内面次第ってわけさ」。物事の本質、そして心を美しく持つことの大切さ。京と夏子は勝子に、そして読者に身を持って教えてくれるのです。
人は自分でも気付かずに人を傷つけてしまうことがある事、どんな境遇でも乗り越える力を持つ事の素晴らしさ、人と人が交わす愛情の美しさ。そんな事を涙しながら読みとって欲しい、正に初期の傑作中篇です。この作品はWeb漫画で読めますので、興味を持った方は是非読んでみてください(^^)



↓Web漫画で読めます(^-^)
桜京 (1) 桜京 (2)

桜京


※収録本「章子のエチュード/池田理代子中篇集」は現在入手困難ですが、
Amazonで古本が入手できることがあります(^-^)
検索結果→章子のエチュード(池田理代子中篇集)

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